山田はるか個展「私はあなたに命をあずけた」
会期:2013年12月6日(金)~12月10日(火) 14:00~22:00
オープニングレセプション:6日(金)18:00~
会場:素人の乱12号店(東京都杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2F)
作家WEBサイト:山田はるか
この度、高円寺にあります素人の乱12号店「ナオ ナカムラ」では、山田はるか個展「私はあなたに命をあずけた」を開催いたします。
山田はるかは、1986年神奈川県出身。全国数多くの展覧会に参加し、「千代田芸術祭2011 3331アンデパンダン」(2011/3331 Arts Chiyoda)では、五十嵐太郎賞を受賞しました。また、ヘアメイクや雑誌連載、扇子デザイナーなどさまざまなメディアでも活躍しています。
山田は、幼いころからジェンダーに強い固苦しさを抱いてきました。ジェンダーを軸につくられた社会的偏見をひっくり返すことをモットーに、何者でもない何かの力を借りて社会にアプローチし続けています。山田の作品に通底している異なるキャラクターを自演する「なりきる」行為は、演じることで社会的偏見に対する行き場のない葛藤をアウトプットしているようです。
社会につくられた女性に対する固定観念を自演してセルフポートレートにおさめるアメリカの現代美術家シンディ・シャーマンや、名画や著名人になりきる日本の現代美術家の森村泰昌、文化や言語、ジェンダーをテーマに名作映画を自演でリメイクをするシンガポールの現代美術家ミン・ウォンなど自演という手法を用いる作家はいますが、山田は今の時代に合った身近なカルチャーとこれまで吸収してきた自身の体験により、より大衆的で生々しいアプローチを堅苦しくない漫画や雑誌、インターネットのYouTubeなどのキャッチーなメディアに落とし込み発表しています。そして、山田が多種多様なキャラクターになりきることは、「山田はるか」という1人のキャラクターにもなりきっていると言えるのではないでしょうか。
2012年より活動をスタートした、昭和歌謡をカバーする4人組ヴィジュアル系バンド「華妖.viju」は、山田自身が4人のバンドメンバーに扮し、セルフプロデュースする自作自演のプロジェクトです。実際は山田1人が4人の個性的なキャラクターをうまく演じ分けていて、それらのクオリティはとても高く、インターネットのYouTube上で「華妖.viju」のミュージックビデオを配信しています。
本展覧会では、「華妖.viju」のPV作品をメインにポスターや衣装、メイク道具をはじめ山田がメンバー4人に扮するためのステージであり楽屋のような空間となります。また、小部屋には山田の過去の作品やこれまで掲載された雑誌、エキストラとして出演しているアダルトビデオなどを自由に観覧できるスペースで構成します。
展覧会タイトル「私はあなたに命をあずけた」は、「華妖.viju」の新曲『人形の家』の歌詞のワンフレーズです。山田の自作自演によってつくりあげたキャラクターに命を吹き込み、キャラクターそれぞれがひとり歩きすることへの願いがこめられています。
山田はるかにとって2年ぶりとなるナオ ナカムラでの初個展をこの機会にどうぞご覧ください。