イナタウツボ個展「YabernModern -波音-」
会期:2015年3月20日(金)~3月24日(火) 14:00~23:00
オープニングレセプション:20日(金)18:00~
イベント:22日(日)19:00~イナタウツボ×中島晴矢(現代美術家・ラッパー)によるアーティストトーク
会場:素人の乱12号店(東京都杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2F)
この度、高円寺にあります素人の乱12号店「ナオ ナカムラ」では、イナタウツボ個展「YabernModern
-波音-」を開催いたします。
イナタウツボは、1989年東京都生まれ。2010年、早稲田大学建築学科中退。2009~2011年、画家の内海信彦氏による美学校の「絵画表現研究室」を受講しました。そして、初個展「角田啓個展」(2009/GalleryK)を開催。自身の作家名をアップデートしつつ、2度目の個展「破水、沸騰。」(2010/GalleryK)の開催や、渋谷にあるシェアハウス「渋家」へのメンバー加入、舞踏「肉舞-shishimai-」(2012/テルプシコール)の企画など、その他多数のグループ展に参加し活躍の場を広げています。
今展はイナタにとって3度目の個展であり、ナオナカムラでは初個展になります。
イナタは、これまで黄金比のごとく美しく平穏に直立不動していた建築や彼自身の思想が、“東日本大震災”によって抜け殻のように鉄骨だけ残り不穏な揺らぎとともに傾きはじめます。そんな止まることなく永遠と動き変化し続ける地にパワーを感じながら、波音を頼りに陸と海のボーダーラインを確かめるため被災地へ向かいました。
また、キリスト教の洗礼を受けて育った彼は“宗教紛争(ISIS)”を目の当たりにして、キリスト教と姉妹宗教と呼ばれ同一の神を奉ずるイスラム教へ宗旨を変えることを試みます。信教の自由を謳う日本だからこそ垣間見ることのできるボーダーラインに触れることで、当事者あるいは第三者としてアングルを変えてもう一歩内へと踏み込もうとしました。
そしてさらに、今展の制作期間中に起きた敬愛する2人の“友人の死”をきっかけに、自由を掴みにボーダーラインを飛び越えてしまい傾くことのない直立不動の不自由な社会に殺された彼らへのレクイエムを作品へ落とし込み捧げます。
展覧会タイトルにある「YabernModern(=野蛮モダン)」は、矛盾する2つのキーワードを結び付けつくられたイナタによる造語で、「YabernModernとは広大な境界を冒険するための合言葉である。」と彼が言うように、さまざまなボーダーラインに潜在する不協和音に耳を傾けます。
本展覧会では、自立する平行四辺形のパネルの傾き(不穏)と平行(平穏)を利用した過去作にペインティングを施しバージョンアップした立体作品「Vibes/野性」をメインに、被災地の海岸に佇み波音から合言葉が永遠と静かに共鳴し合う映像作品「YabernModern/波音」など8点の未発表の新作で構成します。
22日(日)には、本展覧会作家のイナタウツボと昨年6月にナオナカムラで個展を開催いたしました中島晴矢氏(現代美術家・ラッパー)によるアーティストトークを開催いたします。
イナタウツボによるマスターピースが一堂に会する5年ぶりの新作個展「YabernModern -波音-」をこの機会にどうぞご覧ください。
また、3月22日から29日まで、イナタウツボと中島晴矢率いるグループ「CAVE MORAY」が阿佐ヶ谷アートストリート2015の松山通りアートウォール会場に参加します。こちらも併せてご覧ください。
中島晴矢による「イナタウツボ・ミステリーズ」
中島晴矢による「イナタウツボ・ミステリーズ」