関優花個展「私をばらばらに説明する」


関優花個展「私をばらばらに説明する」
会期:2020年11月6日(金)-11月10日(火)
会場:素人の乱12号店「ナオナカムラ」
東京都杉並区高円寺北3-8-12
開場時間:14:00-20:00 会期中無休
入場料:無料
作家:関優花
お問合せ:nakamuranao19900715@gmail.com(中村奈央)


 この度、高円寺にあります素人の乱12号店「ナオナカムラ」では、関優花個展「私をばらばらに説明する」を開催いたします。本展は関にとって「うまく話せなくなる」(2018/ナオナカムラ)以来2度目の個展であり、ナオナカムラの活動としても約2年ぶりの再始動となります。

関優花は1997年生まれ。美学校の現代美術講座「外道ノスゝメ」を修了。筑波大学芸術専門学群特別カリキュラム版画コースを卒業後、現在は横浜国立大学大学院都市イノベーション学府建築都市文化専攻Y-GSCに在学しています。これまでに、日の出から日没まで太陽に辿り着こうと走り続ける『太陽まで走る』(2017)や、Googleストリートビュー上に映し出された何の変哲もない風景について詳細に説明を行い続ける『うまく話せなくなる』(2018)など、いずれも自身の身体的経験をもとにしたパフォーマンス作品を発表してきました。

関は2019年にある病気を患い体調を大きく崩してしまったことをきっかけに、かつての自分が失われて、これまでに行なってきた作品や活動が急に破綻してしまったような感覚を経験します。突然訪れた断絶の中で、私という個人をどのように存続できるのかという問いを持ち、ある一貫した態度に依拠しないかたちで「私」を説明することの必要性を感じます。本展はその問いへの応答を作品を通して試みます。そしてそれは、今まで関がパフォーマンス作品を上演する中で感じてきた、展示空間内にいる個人がその固有の具体性を失い「女性」や「パフォーマー」、「アーティスト」などといった単純な属性にカテゴライズされてしまうことへの違和感とも呼応しています。

また、関は本展を“中村奈央との共同制作”と考えています。「私自身のことについて人に伝えるには、それを物語化するのでも一般化するのでもなく、私以外の具体的な個人との関係性の中で私について語ることが必要だと思う。」と言い、自身の問いを共有可能なものにするために、数年来の友人であり、ともにアートという共通の活動を行なってきた関係性にある私(中村)という存在を展覧会へ導入します。

私はこの約2年の間、妊娠、出産、育児という自分の人生のなかのあらゆる経験をはるかに超越する出来事に寄り添い過ごしました。子どもの存在は何にも代えがたく愛おしい一方、目まぐるしく過ぎ去る毎日に社会との繋がりが薄れて行くような疎外感を抱きはじめます。そんな最中に関と本展について対話を重ねはじめ、私自身も子どもという存在をきっかけに、約9年に渡りコンスタントに継続してきた自分を形成しているとも言えるナオナカムラの活動が滞り、これからの自分をどう話し伝えようかという関と共通の問いを持っていることに気付きました。

本展「私をばらばらに説明する」は、ばらばらとした状態でしか有り得ない「私」という存在の表明です。不確かで常に修正を繰り返す、一貫性のない存在をどのように説明するのか。関と中村にとって重要な節目となる本展覧会をどうぞご覧ください。

中村奈央