宮嵜浩個展「DON’T THINK」展


ふたり個展
宮嵜浩個展「DON'T THINK」展

会期:2012年6月22日(金)23日(土)24日(日) 13:00~20:00
オープニングレセプション:18:30~20:00※20:00よりイベント開催
イベント:22日(金)20:00~、北大路翼(俳人)による短詩レクチャー及び、パフォーマンス。どなたでもご参加いただける俳句・短歌・詩の朗読会等も予定
会場:ASOKO
協力:天才ハイスクール!!!!

 この度、高円寺にありますASOKO「ナオ ナカムラ」では、宮嵜浩個展「DON'T THINK」を開催いたします。

 宮嵜浩は大阪府出身、立命館大学理工学部卒業。
ストリートダンスやバンド活動、2003年~2010年にかけての26か国への旅、そして小学校での教職活動(2011年退職)など、バラエティに富んだ体験を経て、2011年に美学校で現代美術を学びました。
 そんな行動派の宮嵜の作品に通底しているのは、「まず、考えずに感じること」という姿勢です。それは、「面白いと感じたことが制作のきっかけとなり、その時、道徳性を考えていない」という宮嵜が持つ、素直な吸収力とも繋がるものです。特に宮嵜は道徳性が生む表現の自粛に対して強い疑問を抱いてきました。それよりもまずは興味が先走ること。その姿勢によってこそ、ものごとの本質を明らかに出来ると信じているのです。

 映像作品「DON'T THINK」は、ケミカルブラザーズの楽曲「DON'T THINK」にインスパイアされて生まれた作品です。宮嵜はこの楽曲に「調和する」と自らが感じたさまざまな映像をミックスします。その多くは惨劇や暴力的な映像です。
道徳性を排除し、自身の素直な感情に真っ向から向きあったこの作品は、まるで惨劇のエンターテイメントのような映像です。
それは、イメージが実体験を凌駕するような今日の情報化社会において、メディア越しに非日常的な現実を知りながらも、見るに耐えないと「悲劇の蚊帳の外」にいつづける私たちに、リアルとアンリアルを巡る身近な疑問を投げかけています。
宮嵜はこの作品について「不謹慎として押し殺した表現が必ずしも追悼の最高表現ではない。不謹慎であろうとも自身の感覚を人間の感覚の一部として生み出すことで作り上げられた『DON'T THINK』は、音楽ライブの非日常性と惨劇の非日常性を一致させる追悼の試みである」と考え、さらに「戦争が光の祭典のようだ」と語っています。屋上でDJが曲をつなぐ中、空に祝祭の花火とも惨劇の戦火とも見える閃光が飛び交う、アンリ・サラの映像作品『入り混じる行為』(2003)を彷彿とさせるようなこの発言は、宮嵜が「DON'T THINK」によって挑戦するイメージと音の組み合わせ、そして道徳性を超えた感覚的な美意識の提案を象徴しています。

 本展覧会タイトル「DON'T THINK」は、ブルース・リーの名台詞「DON'T THINK,FEEL」に由来し、また宮嵜自身の「考えずに感じる」制作態度に由来しています。

 エロ、生命、言葉、秩序などを感覚で「解体・再構築」し、何が現実で非現実か、見えづらくなっている今日の世界を宮嵜は新たに創造し直そうとしているのかもしれません。この機会にどうぞご覧ください。

 会場となる「ASOKO」は、高円寺の住宅街にあるオルタナティブペースです。展覧会、トークショー、イベントなど開催し“オープンな溜まり場”として運営しています。

また、22日のオープニングイベントには、ゲストといたしまして俳人の北大路翼氏をお迎えし、短詩レクチャー及び、パフォーマンスを開催いたします。俳句・短歌・詩の朗読会等も予定しておりますので是非ご参加ください。

北大路翼:俳人。小学校のころ種田山頭火の本をきっかけに俳句をはじめる。北大路翼氏と石丸元章氏による、30000句を超える5-7-5で描く、超ド級俳句集『新宿歌舞伎町2012 句集/嘔吐 』発売予定 


素人の乱12号店にて同時開催の大島嘉仁個展「僕らはみんな生きている、生きているから笑うんだ。」も併せてご覧ください。